ポケナビメールニュース ――――――――――――― No53(08-03-14)
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■ GPS豆知識
☆ DGPSの精度
DGPSは相対測位の一つであり、基準点と現在位置で同時に単独測位を
行って、共通誤差を相殺することによって測位精度を改善するものです。
以前は、特殊な受信機を接続してDGPSデータを受信する必要がありました
が、MTSAT(運輸多目的衛星)が打ち上げられ、運用が開始されてからはS
BAS(静止衛星型衛星航法補強システム)対応のGPSならば簡単にMTSA
Tからのデータを受信してDGPSで測位できるようになりました。
今回はDGPSで精度がどのくらい向上するか考えてみたいと思います。
単独測位の主な誤差は次のとおりです。
① 軌道情報
② 衛星時計のずれ
③ 衛星送信機での信号の群遅延
④ 電離層、大気中での電波遅延
⑤ 多重経路伝播
⑥ 受信機の雑音
これらのうち、DGPSで相殺される誤差成分は①と④です。
原理的に相殺されない誤差は②③⑤⑥となります。②③⑥は受信機による擬
似距離測定の誤差として扱うことができます。⑤はマルチパス等によるもので、
普通は問題になりません。
DGPSの誤差の大部分は擬似距離測定の誤差です。この誤差は受信機と
伝搬路により構成され、次の式で表すことができます。
[(1~3m)**2+(3~5m)**2]*1/2=3.2~5.8m
1~3mが受信機の誤差、3~5mが伝搬路の誤差
DGPSでは伝搬路の誤差は相殺されますので、受信機の誤差1~3mだけとな
り、4衛星観測と2箇所の観測という条件を考慮すると誤差は3~9mになります。
DGPSがうまく機能するためにはいくつかの重要な注意事項があります。
① 同時観測でなければならない
② 同一GPS衛星の組を観測しなければならない
③ 軌道情報は同一のものでなければならない
このうち一番問題になるのが②で、位置計算には誤差が一番小さくなる最良の
4個の衛星のデータを使用しますが、障害物等で位置計算に使用する衛星が違
ってしますと、誤差の相殺がうまくいきません。
また、GPS衛星の軌道情報が更新される時期に測位計算を行うと、一方の
受信機が古い軌道情報、他方が新しい軌道情報で位置計算を行うということが
ありえます。このときは軌道情報の誤差量が異なるため誤差の相殺がうまくい
きません。
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